「腸管の洗浄」と「腸を無理に伸ばさない挿入法」
この2つの工夫で苦痛のない検査を実現します
大腸内視鏡検査でわかること
大腸がん、大腸ポリープ、クローン病、潰瘍性大腸炎など様々な病気を発見、診断する上で非常に有効な検査法です。
大腸がん検診で確認される「便潜血反応」は進行がんを見つける上では非常に有用ですが、早期がんや小型のポリープの拾い上げができないことがあります。これに対して大腸内視鏡検査は、早期の大腸がんやポリープの発見にもっとも有用な検査方法です。
当院の大腸内視鏡検査の特徴
患者さんにとって大腸内視鏡検査は、胃内視鏡検査よりも敷居が高いようです。以前に大腸内視鏡検査を経験したことのある方からは、「とにかく苦しい」「痛い」「お産よりもつらかった」「検査前に大量の液を飲まされるのがつらかった」「お尻を見られるのが恥ずかしい」など、たくさんのつらい感想が聞かれることが珍しくありません。これでは検査から足が遠のくのも無理はありません。
大腸の内視鏡検査が痛かったり苦しかったりするのは、ほとんどの場合、空気をたくさん入れすぎたり、内視鏡を無理に押し込んで腸を伸ばしたりすることが原因のようです。当院では、空気をあまり入れないだけでなく、大腸を伸ばさずに内視鏡を挿入する「軸保持短縮法」という方法で検査を行っています。結果、 ほとんどの患者さんで2~3分もかからないうちに大腸の一番奥まで苦痛なく内視鏡が到達します。
また、胃の内視鏡検査同様、病変の見落としをなくすため、腸管をきれいに洗浄することも重要です。便がきれいに洗い流されたツルツルの腸管は内視鏡の挿入もしやすく、その上で隅々まで観察することができるのです。
当院では丁寧な腸管の洗浄と医師の内視鏡操作技術を合わせて、患者さんの苦痛を最小限に抑えています。当院で実際に検査を受けた 患者さんからは、「以前受けた内視鏡とは別物で驚いた」「痛みもなくお腹も張らなかったので、以前に受けた胃の検査やCTによる大腸の検査よりも楽だった」との感想をいただいております。
なお、胃の内視鏡検査についてはこちらをご覧ください。
大腸内視鏡検査が難しいケース
当院は内視鏡検査を楽に受けられるように努めていますが、すべての人に苦痛なく検査を行えるかというと例外もあります。小柄で骨盤の小さな痩せた女性、手術の繰り返しなどにより大腸がくっついてしまっている方、大腸に先天的に異常のある方などはどうしても挿入が難しいことがあります。
当院ではこうした方々にも丁寧で苦痛の少ない挿入を心掛けており、状況やご希望に応じて鎮静剤を使用することもできます。検査が初めてで不安な方や、以前受けた検査でつらい経験をしている方も、どうぞ安心してご来院ください。
大腸内視鏡検査はこんな方におすすめ
- 便に血が混じることがある
- 便秘・下痢などの便通異常が続く
- 便が出にくく残便感がある
- 最近、便が細くなった
- お腹が張る
※症状は一例です。これらの症状を感じる前に、現在の大腸の状態を把握するために、検診目的での定期的な大腸内視鏡検査をおすすめします。
大腸内視鏡検査の流れ
数日前
検査の日程が決まりましたら、当院の専門スタッフが検査2、3日前から事前に行っていただきたい食事の工夫などをわかりやすく説明します。腸に残りやすい食べ物を避けることにより、特に普段から便通が悪い方や糖尿病の方は、食事の摂り方だけでこんなにも変わるのかというくらい、検査の質が変わってきます。
前日
21時までに食事を終えてください。また、就寝前に下剤を飲んでいただきます。
検査前
来院後、腸管洗浄液「モビプレップ」を飲んでいただきます。飲む量は約1.5リットルですが、従来の洗浄液に比べ味付けや口当たりなどが改善されています。水やお茶などで口直しをしながら飲めるようになったことで、皆さま比較的楽に飲み終えられるようになりました。
その後、1時間ほどかけて6~7回トイレに行っていただきます。当院の2階には内視鏡検査の方専用トイレがあるので安心です。
検査開始
患者さんにも一緒にモニター画面で大腸内を確認してもらい、説明しながら検査を進めていきます(画面を見たくないという方には配慮いたします)。見落としがないように丁寧に観察を行って、十数分で検査は終了です。腸を膨らます空気も、吸収されやすい種類のものを使用していますので、検査後にお腹が張って苦しいということは一切ありません。
検査の所要時間
来院いただいてから洗浄液内服を開始し、腸がきれいになるまで2時間程度を要します。内視鏡検査自体は十数分で終了し、検査後の説明が終わった後帰宅となります。
当日
ご来院後、腸管洗浄液「モビプレップ」を飲んでいただきます。飲む量は約2リットルとこれまでとあまり変わりませんが、従来の洗浄液に比べ味付けや口当たりなどが改善され、水やお茶などで口直しをしながら飲めるようになったことで、皆さまラクに飲み終えられるようになりました。
その後、1時間ほどかけて6~7回トイレに行っていただきます。当院の2階には内視鏡検査の方専用トイレがあるので安心です。
腸管をきれいな状態に仕上げて、いよいよ検査スタートです。患者さんにも一緒にモニタを見ていただき、説明しながら検査を進めていきます(もちろん見たくないという方には配慮いたします)。見落としがないように丁寧に観察を行って、十数分で検査は終了です。腸を膨らます空気も、吸収されやすい種類のものを使用していますので、検査後にお腹が張って苦しいということは一切ありません。